【理系大学生・院生・就活生向け】メーカーの研究開発・設計の違いとは?

仕事

「企業について調べているけど、研究開発と設計の違いって何?」

「稼げるのはどっちの職種?」

「激務じゃない職種ってどっち?」

独身のワイ
独身のワイ

大手電機メーカー、自動車メーカーでの勤務経験がある私が、研究開発と設計業務について解説します!

伝統的な日本のメーカーであれば、各企業で差異はあれど、これから説明する内容に近い傾向にあると思います。

全体比較

まず結論となる双方の全体比較は以下の通りです。

職種研究開発設計
収入(残業代)
休みの取りやすさ
採用難易度
技術的なやりがい・論文、学会発表
・大学院での博士取得
・特許
・製品を直接扱える
・特許
大変なポイント・個人要素が強い
・人間関係が密
・トラブル対応
・長時間労働

これから詳細に説明していきます。

研究開発とは

研究開発は製品に適用される技術を研究・開発する仕事です。

場合によっては10年先に商品に適用される技術を開発している場合もあり、設計と比べると相対的に製品自体からは遠くなります。

大手電機メーカーであれば、研究職の勤務場所は「研究所」という名前を泊しており、他の事業所と異なる名前がついているため、勤務地により職種が認識しやすいと思います。

設計とは

設計は実際に販売・納入される製品を直接する仕事です。

設計は研究開発よりもより製品に近い立場で仕事をします。

研究開発の方の構築した技術を使って、製品化をすることが主な仕事になります。

留意点

企業、部署によって「研究」と謳っていても「設計要素」が強かったり、分野によっては研究・設計業務を両方やっているようなケースもあります。

また、ほぼ同じような研究をやっている場合でも、「基礎研究寄り」と「製品開発寄り」で部署が異なっている場合もあります。

部署名のみで安易に判断せず、OB訪問、説明会、インターン等で明確にしておくことをおすすめします。

比較ポイント

収入(残業代)

収入で高いのは「設計」の方です。

理由は「残業代」の違いです。

伝統的な日本のメーカーの場合、近年徐々に成果型を取り入れつつあるものの、基本的には年功序列の制度が色濃く、メーカーで稼ぐことを考えると「残業代」が一番の給与で差がつく要素となります。

私の所属していた企業の設計の場合、残業の上限が60時間や80時間で設定されている部署が多く、多くの方が月平均50時間~60時間働いていました。多忙な時期では100時間を超えるケースもあります。

一方、研究開発職は裁量労働制を敷いている場合が多いです。

例えば、残業時間にかかわらず、残業時間20時間相当が支払われるものの、何時間働いても給与アップは無しとなっている部署が多かったです。

そのため、設計の方が概して残業時間により稼ぐ傾向となります。

(仮に時給2500円、60時間分の残業時間差とすると、60時間×2500円=15万円もの差がつくことになります。年収差となると100万を超えてきます)

休みの取りやすさ

休みの取りやすさは研究開発の方が取りやすいです。

私の所属していた会社は完全有休消化を強く推奨しており、12月の締めのタイミングになると、皆が焦って有休消化をし始めていました。

11月~12月は部署によって有休の取り方に大きく差が出る時期です。

研究開発の人は業務を自分でコントロールしやすい傾向にあるため、月~金で有休をとり、1週間旅行へ行ったりする方がちらほらいました。

一方で、設計職の人は週に1日、多くても2日程度で、業務に影響を与えないように細心の注意を払いつつ、消化する方が大勢を占めています。

設計1週間の休みをとれる方など皆無です。そんな申請をしたら新しい仕事を振られます。

設計はお客さんに近いため、スケジュールが自分でコントロールできない場合が多く、連続して有休をとることは基本的に傾向にあります。

技術的なやりがい

私がよく聞いた、技術にやりがいとなる要素は以下の通りです。

研究開発の技術的やりがい
  • 論文・学会発表
  • 大学院で博士が取れる
  • 特許
  • 大学教授になれるルートもあり

論文・学会発表で成果を出すことが技術的な足跡となるため、この点をやりがいとしている人が多いです。

また、比較的製品に近い研究開発をしている人は、特許出願に力を入れているケースもあります。

メーカーは金融系の職種と比べるとは給与は低いものの、会社にとって有益な特許を出せれば、家が建つレベルのインセンティブが得られた話もあります。(特許においては後述する設計も同様)

数は多くはないものの、人によっては大学に准教授として転職する例もあり、自分のラボを持ちたいと考えている方にとっては夢があると思います。

設計の技術的やりがい
  • 製品を直接扱える
  • 特許

製品を直接扱える仕事をしているため、「自分のやった仕事が世の中で可視化される」、「お客さんの喜びの声が直接聞ける」という点をやりがいに挙げる技術者が多いです。

特許については基本的に研究開発と同様ですが、技術的な重みが違ってきます。

どういうことかというと、研究開発においては論文・学会等で自分の技術を対外的に残す場があるのに対し、設計者にとっては「特許が唯一自分の名前で成果を対外的に残せるもの」であるためです。

部署によっては特許を特別出すことを求められない場合もあり、特許に消極的な技術者も多いですが、技術的に優秀な方ほど特許出願を意識している傾向にあります。

大変なポイント

研究開発の大変なポイント
  • 個人要素が強い
  • 人間関係が密

・個人要素が強い

研究開発職は良くも悪くも、自分でテーマを持って研究開発を進める職種であるため、成果が個人の能力、研鑽によって決まる要素が非常に大きいです。

設計職であれば、ある程度決まった仕事のやり方で、チームで補い合う要素がありますが、研究開発は個人要素が強く、上司、先輩からの助言は得られるものの、成果が個人に依存、かつ、可視化されやすい傾向にあります。

・人間関係が密

研究開発職は専門性が高く、異動が他の職種に比べ少ないです。

事業再編による部署の細分化、拡大化はあるものの、人材のローテーションが少ないため、嫌いな人間がいる場合、長期間一緒に働かざるを得ないリスクが高いです。

(裏を返せば、良好な人間関係が構築できれば、メリットに転じる場合もあります。)

設計の大変なポイント
  • トラブル対応
  • 長時間労働

トラブル対応

直接製品を作る立場にあるため、市場の製品でトラブルがあった場合、場合によっては休日返上で対応する必要がある場合があります。インフラ関係の仕事に携わる場合、徹夜で客先の発電所で緊急業務を行うような同期もいました。

長時間労働

上述した通り、残業時間が多い傾向にあるため、身体を壊す人も多いです。

電機メーカー勤務時代、私の近くの席に座っていた先輩は毎日のように夜12時過ぎまで業務を行っていたのですが、それを続けていた結果、ある日突然会社に来れなくなってしまいました。

優秀な人ほど多く仕事を振られる→長時間労働→休職の負のパターンは、割とよく目にします。

採用の難易度

研究開発の方が採用されるための難易度が高いです。

研究開発における採用は、仕事に直結する分野における論文・学会発表などの実績が必要となり、基本的に修士、博士の学生のみ採用されます。

分野によっては特定の大学の研究室とパイプがあり、毎年一定数採用されるようなケースもあるほど、専門性が重視されます。

そのため、学生時代の研究テーマと全く異なるような開発職は基本的に難しいです。

設計職においては、そこまでの厳しい縛りはありません。電気系の部署においても、ポテンシャルが評価されれば機械系の選考の学生が採用されたりするケースがあります。一部企業で変化の兆候はあるものの、学校推薦により比較的高確率で内定取得が可能な傾向にあります。

迷ったらどっちを選ぶべき?

決め手を欠き、どちらかを決めかねているときは、「研究開発」を選んでおくのが無難です。

理由は「設計→研究開発」の異動は難しいが、「研究開発→設計」の異動は比較的容易であるためです。

基礎技術を熟知した研究者は設計側でも重宝するケースが多く、研究開発→設計への開発は比較的容易となる場合があります。

一方、研究開発はそもそも新卒採用の時点から、その研究分野で一定の実績を持った修士・博士の学生から採用されるため、設計側で経験を積んでいても、研究開発への異動は難しいです。

以上より迷ったら研究開発職を選んでおくのが無難です。(そもそも選べる状態にあることが前提とはなりますが。)

繰り返しとなりますが、会社や部署によって、言葉の定義が異なる場合が往々にしてありますので、OB訪問や説明会により確認された方が良いと思います。

皆様が満足いく就職活動をなされることをお祈り申し上げます。

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